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HYROXとは。

世界共通フィットネスレースの完全ガイド ― 1kmラン×8と8種目で、自分の現在地を測る。

最終更新: ・ 著者: 向井 崇敏(HYROX Performance Coach)

HYROX(ハイロックス)は、1kmのランニングと機能的トレーニング(8種目のステーション)を交互に8セット繰り返す、世界共通フォーマットのフィットネスレースです。総距離はランの合計8km+8種目、所要時間はSinglesで一般的に60〜120分。室内会場で開催され、参加資格は不要で、大会当日に16歳以上であれば誰でも挑戦できます。2017年にドイツ・ハンブルクで誕生してから、現在は世界70以上の国と地域でシーズンが組まれ、日本でも開催されています。本ページでは、HYROX Performance Coachの向井崇敏が、レース構成・Roxzone・レースフォーマット・部門と年齢グループ・ペナルティ・当日の持ち物・日本/大阪での参加方法までを、初めての方が一度で全体像を掴めるように網羅して解説します。8種目それぞれの規定・ウェイト・動作標準の詳細は、HYROX 8種目完全ガイドにまとめています。

HYROX会場のスタートとフィニッシュエリア

History

世界共通のフォーマット。

HYROXは2017年、ドイツ・ハンブルクで初開催されました。Christian Toetzkeが発案し、Mintra Tillyがレース設計とルールブックの執筆を担当したことが、Singles Rulebookに記載されています。

特徴は、室内開催のマスパーティシペーション競技であること。参加資格は不要で、大会当日に16歳以上であれば誰でも登録できます。

同じ距離、同じ順序、同じ種目で行われるからこそ、世界中のスコアと比較できます。HYROXは、フィットネスを測るための世界共通言語です。公式情報は hyrox.com、日本国内の最新情報は hyroxjapan.com で確認できます。

HYROX会場の広い競技エリア

Format

1kmラン × 8、ステーション × 8。

レースはRun 1から始まり、Station 1へ進みます。その後もRun 2 → Station 2を繰り返し、Run 8 → Station 8(Wall Balls)を終えるとFinishです。合計は走8km + ステーション8種目。各セクションの遷移はRoxzoneを通ります。

完走するには、指定順序で全ステーションをこなす必要があります。順序違反は1回目3分ペナルティ、2回目以降はDQです。

HYROXのランニングセクション
  1. Run 1 1km → Station 1
  2. Run 2 1km → Station 2
  3. Run 3 1km → Station 3
  4. Run 4 1km → Station 4
  5. Run 5 1km → Station 5
  6. Run 6 1km → Station 6
  7. Run 7 1km → Station 7
  8. Run 8 1km → Station 8(Wall Balls) → Finish

8 Stations

本番と同じ8種目。

HYROXのステーションは、SkiErgからWall Ballsまで全8種目。順序、規定距離、部門別ウェイト、動作標準、ペナルティの発生条件は世界共通で決まっています。各種目の詳細は、HYROX Performance Coachがまとめた専用ガイドで網羅的に解説しています。

HYROX 8種目完全ガイドを読む →
  1. 01 SkiErg(スキーエルゴ) 1,000m。全身を連動させる序盤の有酸素ステーション。
  2. 02 Sled Push(スレッドプッシュ) 50m。下半身のパワーと姿勢が問われる序盤最大の関門。
  3. 03 Sled Pull(スレッドプル) 50m。背中・臀部・ハムストリングと握力でロープを引く。
  4. 04 Burpee Broad Jump(バーピーブロードジャンプ) 80m。呼吸とリズムで心拍を整えながら前へ進む。
  5. 05 Rowing(ローイング) 1,000m。脚→体幹→腕の順で力を伝えてペースを刻む。
  6. 06 Kettlebell Farmers Carry(ファーマーズキャリー) 200m。握力・肩の安定性・体幹持久力で運ぶ。
  7. 07 Sandbag Lunges(サンドバッグランジ) 100m。膝接地・伸展を厳守で左右交互に進む。
  8. 08 Wall Balls(ウォールボール) 100レップ。深さ・両手投擲・立位が問われる最終関門。

8種目すべての規定距離・部門別ウェイト・動作標準・ペナルティを完全ガイドで読む

Roxzone

8番目のステーションは、移動だ。

次の種目へ向かう時間も、レースの一部です。

Roxzoneは、ランとステーションを繋ぐトランジション空間です。スタートからフィニッシュまでに平均約700mが、このRoxzone内の移動に費やされると紹介されています。

ここでスピードを落とさないこと、次の種目のフォームに意識を切り替えることが、好タイムの隠れた鍵になります。

IN/OUTのアーチを間違えると、1回につき2分ペナルティです。

HYROXのRoxzone

Race Formats

ひとりで走る。仲間と分け合う。

HYROX SINGLE

1人で8km + 8種目をすべてこなす。最もスタンダードな形式。

HYROX DOUBLES

2人組。ランは2人で並んで完走、ステーションのレップ・距離はチームでどう分けてもよい(You go, I go)。先走り1分ペナルティ、3回累積で順位対象外。

HYROX RELAY

4人組。各メンバーが「1kmラン + 1ステーション」を2回担当し、合計8区間を4人で分担する。Transition Zoneでハイタッチして交代。

HYROX ADAPTIVE

障がいのあるアスリート向けの部門。詳細はAdaptive Rulebookに基づき、参加可能なフォーマットが用意されている。

すべて 8km + 8種目という共通フレームを共有します。

Divisions

4部門 × 年齢グループ。

Singlesの基本部門と年齢グループ
部門 対象 補足
WOMENOpenSinglesの標準部門。
WOMEN PROProOpenより重い規定ウェイト。
MENOpenSinglesの標準部門。
MEN PROProOpenより重い規定ウェイト。

年齢グループ: U24(16–24)/ 25–29 / 30–34 / 35–39 / 40–44 / 45–49 / 50–54 / 55–59 / 60–64 / 65–69 / 70–74 / 75–79 / 80–84 / 85–89

Pro Divisionは55–59まで。60歳以上はOpen wtで出場し、世界選手権の予選資格は維持されます。RelayはMIXEDもあります。ランキングは公式ルールに基づき、出生時の生物学的性別で扱われます。性自認での参加はOut of Competitionとして可能です。

Penalties

初めての人が引っかかりやすい4つ。

Roxzoneのアーチ間違い

1回につき2分。

ステーション順序違反

1回目3分、2回目以降DQ。

ウェイト誤選択(Farmers Carry / Lunges)

DQ。

Wall Ballのノーレップ

1レップにつき15秒。

1kmランやステーションを完全に飛ばすとDQです。不正な外部援助は1回につき2分ペナルティです。

Race Day

持ち込めるもの、持ち込めないもの。

許可

  • ニースリーブ
  • グローブ(グリップ不可)
  • ウェイトリフティングベルト
  • リストバンド
  • ハイドレーションパック
  • 喘息吸入器など処方された呼吸補助具

禁止

  • ヘッドホン
  • 携帯電話
  • VRヘッドセット
  • GoPro等のカメラ
  • ヘルメット
  • 呼吸装置
  • 圧縮空気ボンベ

タイミングチップは足首装着。Wall Balls時のみ脱靴可。

Coach's View

コーチが見るHYROX。

HYROXは、勝つための競技というより、自分の現在地を測る共通言語です。

HYROX Performance Coachとして大阪で指導している立場から見ると、HYROXの面白さは「順位」ではなく「同じ条件で測れること」にあります。同じ距離、同じ順序、同じウェイト、同じターゲット高さ。条件が世界中で揃っているからこそ、自分のスコアが「いまの自分が世界のどこにいるか」を素直に教えてくれます。

初めての方によく聞かれるのが、「8kmも走れない私でも大丈夫か?」という質問です。経験から言うと、ランそのものよりも「種目で疲れた直後に走る」状況に身体が慣れていないことのほうが壁になります。これは"コンプロミスド・ランニング"と呼ばれる感覚で、平地でのランニング練習だけでは育ちません。週1〜2回でも、ランと種目を「交互に」入れる練習を続けると、確実に変わっていきます。

もう一つ、現場で繰り返し伝えているのが、「最初の数回は記録を捨てて、フォームと呼吸だけに集中する」こと。HYROXはペナルティ設計が明確で、深さ・伸展・両手投擲などの動作標準を満たさない動きは、ジャッジに容赦なくノーレップにされます。動作標準を平常時から徹底できるかどうかが、本番のタイムを最終的に決めます。「速く走ること」と「正しく動くこと」を同時に追えるようになるまでには少し時間がかかります。だからこそ、最初の一歩は静かに、丁寧に。それが結局いちばんの近道です。

Start With MUKAI

強度は人によって違う。それでも、同じ時間を走る。

強度は人によって違う。それでも同じ空間で、同じ時間を走ることに意味がある。

大阪のグループクラス(50分)は、HYROX本番の構成をトレースしながら、強度を個人に合わせて調整します。初めての方はフォームと動作標準から、経験者はペースと切り替えから整えます。

目的は、完璧な記録ではありません。継続できる身体と、挑戦を共有できる関係性を育てることです。

HYROXのフィニッシュエリア

FAQ

初めての方に多い質問。

未経験でも出られますか?+

出られます。HYROXは参加資格不要で、大会当日に16歳以上であれば誰でも参加できます。初めての方は、まずランと8種目の動作を安全に覚えることから始めます。

どれくらい時間がかかりますか?+

Singlesでは一般的に60〜120分のレンジです。完走すると、自分のフィットネスを世界共通フォーマットの記録として測ることができます。

持参すべき装備は?+

クローズドトゥのシューズ、動きやすいウェア、ハイドレーションを準備します。許可リスト外の持ち物は基本的に使用できません。

チームでも出られますか?+

Doubles(2人)とRelay(4人)の部門があります。Doublesは2人で並走し、Relayは担当区間ごとに交代します。

練習はどう始めればいいですか?+

まずはランの基礎と8種目の動作標準、特にスクワット深度とランジのフォームを整えます。MUKAIのクラスはそれを50分に圧縮して練習します。

大阪近郊での出場機会は?+

APAC地域では日本・オーストラリア等を含めたシーズンが組まれています。最新スケジュールはhyrox.comをご参照ください。

※本ページは公式 HYROX Rulebook SEASON 25/26(Singles / Doubles / Relay / Adaptive)に基づき記載。最新の公式情報は hyrox.com(グローバル)/hyroxjapan.com(日本)をご参照ください。

Author

本ページの著者。

向井 崇敏 - HYROX Performance Coach

向井 崇敏(むかい たかとし)

HYROX Performance Coach / ASAP株式会社 代表

HYROX公式認定コーチ。大阪・梅田エリア(福島区)で、HYROX本番の構成をなぞる50分のグループクラスを指導しています。本ページの内容は、公式 HYROX Rulebook SEASON 25/26(Singles / Doubles / Relay / Adaptive)と、実際の指導現場で得た知見をもとに執筆・更新しています。事実関係に変更があった場合は、最終更新日とともに記事を改訂しています。

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